イタリアのベネチア市議会は、2020年7月1日から訪問税(contributo di accesso)を徴収する案を可決しました。
初めてこの案が発表されたのは2018年12月なのですが、議会の方で、「どこで徴収するのか」、「どのようにして払うのか」、「免除されるのはどのような人か」などの詳細がまとまらずに時間がかかっていましたが、先日ようやく決まりました。
今現在ホテルなどに泊まった場合、宿泊税(実際の名目は観光税)を払っていますが、これとの兼ね合いはどうなるのでしょうか?
注)contributo di accessoを「訪問税」と訳しているのは、日本ではこの名前で紹介されているからです。イタリア語では「税」という言葉は一切使われていません。本来であれば、入島料の方がしっくりくる訳です。
訪問税の対象者
対象者はベネチアに宿泊しない観光客が対象で、通常で3ユーロ、観光客が多い時期は6ユーロ、ピーク時は8ユーロとなります。
ベネチアに宿泊しない観光客とは、例えばメストレ(ベネチアの対岸の街)に宿泊している人や、日帰り観光で来る人などですね。
2021年からは追加の値上げがあり、通常で6ユーロ、ピークシーズン時には8~10ユーロとなる予定です。ただし、訪問税が3ユーロまでディスカウントされる時期もあるとの事です。
また、クルーズ船で到着する観光客は、一律で5ユーロ/日、2021年からは7ユーロ/日に値上げされます。
徴収方法
ベネチア中や、近隣の島にチケットマシーンを設置する予定との事ですが、何台ほど設置されるか見ものですね。
と言うのも観光シーズンは本当に人が多いので、それ相応の台数が無いと「チケット購入30分待ち」なんてこともあり得そうですね。
ちなみに、チケットを買わなかった人は、何百ユーロかの罰金になるそうです。
訪問税を免除される人
訪問税を免除される人は、「ベネチアの住人」、「ベネチアで働いている人」、「ベネチアの学生」または、「ベネチアのホテルに滞在して宿泊税を払っている人」になります。
という事は、今まで払っていた宿泊税と訪問税は、2重で払う必要はない、との事です。
訪問税導入にあたって旅行者は減る?
元々この案は、増えすぎた観光客から出るごみ問題や治安対策のために訪問税を徴収しようとなったのですが、新たに導入される訪問税によって、観光をキャンセルする人は少ないとみられています。
金額が小さいのでそこまで負担はないし、ほとんどの旅行者はホテルに宿泊して宿泊税も払っているので影響がないですしね。
また市議会は、年間で約1200万人の訪問者から訪問税を徴収した場合、約50億円程の収益があると考えているので、今後議会は「街の景観を保つためや、警備にお金を使っていく」との事です。
私の希望は、このお金で公共のトイレを設置してほしいですね。
最後に
今までのイタリアを見ていると、導入当初は大混乱が予想されるので、行くのであれば時期をずらした方が良いですね。
また、一般的に日本からベネチアに行く人は、長くても4~5日ほどの滞在でホテルに泊まると思うので、影響は限定的ですね。
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