「在住者に聞いてみた」のコーナーに、旅人の方が初参戦してくれました。言ってみたら住所は地球という、何とも素敵なノマドワーカーの方にお話を伺いました。
ここ最近ではノマドワーカーという言葉が浸透していますが、実際にどういう生活をしているんでしょうね?
ノマド(Nomad)とは元来、遊牧民を表す言葉なので、ノマドワーカー達もこのようにいろんな地域に行っているんでしょう。いいですよね~。
でも、旅行資金をどうしているかなどの疑問が湧きますよね。いろいろ聞いてみたので、今後海外に飛び出そう!という方は、ぜひ参考に!!
今回お話をお聞きしたのは、ノマドワーカー藍さん。今現在はメキシコに滞在中です。
プロフィール
- 藍さん
- 青年海外協力隊でタンザニアに派遣された過去を持つ
- 現在メキシコに滞在中
- Kindleから電子書籍を数冊出版している
Contents
旅行を始めたきっかけ
<ゲラゲッツァ2019・各コミュニティから代表が集まってダンス大会。メキシコでも1番大きなイベント・以下写真は全て藍さん提供>
早速ですが、旅行を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
こんにちは。
私は学生時代から、一人で実家の三重県から四国へ旅行に行ったりはしていましたが、海外となると英語もできないし、自分には他の文化圏ではやっていけないと思っていました。
しかし、私の実の兄が青年海外協力隊で、サモアという国に2年間派遣されて帰ってきた時に、逞しくなった兄の姿を見て、
「私も海外に行ってみたい!」
という気持ちが、大きくなりました。
しかし、京都で一人暮らしを始めたばかりで、アルバイト生活をしていて、貯金も、キャリアも、学歴も何もなかった私。
リーマンショックの後で、アパレル関係の会社でアルバイトをしていた私は、自分の未来を悲観していた部分もあり、環境をガラリと変えなければいけないと数ヶ月ずっと強く思っていました。
でもやっぱり一歩が踏み出せなかったんです。
そんな時に起こったのが、福島の地震と原発事故。
私個人に被害はなかったのですが、テレビで悲惨な状況を見て思ったのが、
「こんなに簡単に人生はすぐ変わってしまうし、何かの拍子で簡単に死んでしまう。だったら何で、やりたいことをやっていないんだろう?心配は後回しにしてとりあえずやってみよう。」
と思い立って、青年海外協力隊に応募しました。
これがきっかけです。
服飾系の専門学校へ3年間通っていたのと、アパレルの会社で働いていたのもあって、青年海外協力隊では服飾隊員としてタンザニアに派遣されることが決まりました。
何年ほど活動されていたのですか?
タンザニアの経済首都である、ダルエスサラームで2年間活動していました。
その間に、ザンビアと南アフリカにも訪れました。
タンザニアの国内も、割と色々な地方に行くことができました。キリマンジャロの登頂に挑戦したり(あまりにも苦しくて途中で挫折)、 キリンや象がたくさん生息するンゴロンゴロ国立公園などにも足を運びました。
帰国してからは、私に必要なのは英語だと思ってフィリピンへ短期留学。そのままフィリピン国内を一人旅し、ビザランのためにタイへも行きました。
そして日本へ帰国して少しお金を貯めてから、カナダへ。初めは観光ビザでしたが、途中でワーキングホリディビザに切り替えて、モントリオールで働きながら暮らし始めました。
ワーキングホリデーを終えてから、前から気になっていたメキシコへ。 スキューバダイビングをするので、カンクンで潜ってから帰ろうと軽い気持ちで思っていたら、メキシコにはまってしまい、そのまま半年をかけてメキシコ・キューバ・ベリーズ・グアテマラをのんびりと旅することに。
一旦日本へ帰国して、沖縄の離島で働いてから、沖縄から近いという理由で、実家にも帰らず台湾へ。
そのまま、ベトナム・ラオス・タイを3ヶ月ほど一人旅。そして今メキシコに半年ほど滞在しています。
今はメキシコに滞在中ということですが、何ビザをお持ちですか?また、ビザ取得で大変だった国はありますか?
現在メキシコで持っているビザは観光ビザです。
メキシコは半年間ビザがもらえるので、他の国と比べてとても楽ですね。
逆に一番大変だったのは、カナダのワーキングホリデーでした。
タンザニアという辺鄙な場所で暮らしていたこともあって、健康診断を受けないといけなかったり、無犯罪証明書を提出しないといけなかったり。
何度も心が折れかけて、書類を集めるのにお金もかなり使いました。
では、今はノマドワーカーということですが、具体的には何をされているんですか?
フリーランスで、ライター・ウェブデザイナー・翻訳家(日英)などをしています。
オンラインで写真を売ったりもしています。
生活費
<オアハカから3時間もかからないで行ける、サンホセデルパシフィコのキャビンからの夕日。不思議なキノコで有名な場所>
<オアハカシティのサント・ドミンゴ教会で行われる結婚式。音楽とダンスとメスカル(オアハカ名産のお酒)でとても盛大に祝う>
国によりますが、今滞在しているメキシコだと5万円以内です。
東南アジアだともう少し安いし、カナダやアメリカなど10万円以上の資金が必要です。
タバコは吸いませんが、ほぼ毎日お酒も飲むし、しょっちゅうレストランで外食などもするので、5万円ほどかかっていますが、削ろうと思えば3万円以内に収められそうです。
では今のノマド生活の良い点、悪い点があれば教えて下さい。
基本的には、この生活はとても気に入っています。
全く収入がなかった頃は、旅をしていてもなんだか不安だし、働いている人を見ては
「自分も働かなきゃいけないんじゃないか」
という謎の脅迫観念を感じていましたが、今ではそういったストレスも軽減されました。
ただ、長期で旅をしていて毎日あちこちに新しいものを見にいっていると、疲れてしまいます。
かといって何もしないわけにはいかないので、仕事があるとちょうど良いバランスが私の中では保てることがわかりました。
逆に旅行中は仕事なんてしたくない!という人もいると思うので、その辺りは人それぞれの価値観かと思います。
悪い点は、収入が不安定な事です。
旅費を全て賄える月もあれば、そうではない月もあるので、もう少し安定した収入を得るために奮闘中です。
今後の目標やご予定がありましたら、教えて下さい
また、南米にはまだ行けていないので、少しづつ南下もして行く予定です。
海外を転々とするノマド達が情報交換や、ビジネスの場として集まるようなコミュニティや村も作りたいので、興味がある方はご連絡ください。
最後に
<イエルベエルアグア”という世界でも珍しい山の上の自然のプール>
藍さん、お忙しい中ご協力ありがとうございました。
藍さんはKindleで「バックパッカー 貧乏女一人旅」シリーズを出版されていたり、現地のアーティストとコラボしてかばんを作ったりと、幅広く活動されています。
SNSでもいろんな情報を発信しているので、興味がある方は下記リンクからぜひフォローお願いします。
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