ヨーロッパは人気の移住先になりますが、手続きも複雑で心が折れそうになることもあります。
でもリタイアメントビザでの移住なら、別の話です。
というのも、リタイアメントビザでの移住は比較的簡単なんです。
申請要件は国によって変わりますが、年齢不問の国もあれば、月7万円程の収入(年金や金利など)があれば移住できる国もあります。
それでは金銭的にも、リタイアメントビザでの移住がしやすい国を紹介します。
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イタリアのリタイアメントビザ申請要件
情熱の国イタリア。この国の人たちは、アツいですよね。
何が?
全てがです(笑)
ただ、北部と南部では全然違う人種と言っていいくらい変わりますね。
北部は都会っ子でちょっと冷たい。南部は底抜けに明るく、おせっかいって言いうくらい親身に対応してくれる感じです。
さてそんなイタリアですが、リタイアメントビザという名称ではなく、長期滞在ビザ(タイプD)になり、申請要件が意外に緩いので、多くの人が申請できます。
主な要件は以下になります。
- 年齢制限は特になし
- イタリアに家を購入し、今後維持するだけの資金がある事
以上です!
しかもイタリア南部や田舎の方は、激安に家を買う事が出来るので大金は必要ないです。(良い所に住みたいなら、大金が必要です)
以前「1ユーロで家が買える?イタリア移住計画」でも紹介したのですが、シチリア島には1ユーロで買える家が143件もありました。
また、こんなに激安じゃなくても3~4000ユーロで家も売っているので、本当に移住しやすいと思います。(要修理)
こちらに詳しいイタリア移住の情報を紹介しているので、ぜひ一緒にどうぞ。
スペインのリタイアメントビザ
スペインは、ヨーロッパの中でダントツに日本人に合う食事が多いです。
私はほとんどのEU加盟国に行きましたが、スペインだけです。料理が本気でおいしいと思ったのは。
移住したいな~って思いますね。
スペインのリタイアメントビザの申請要件って、意外に緩いのでビザの取得がしやすいと思います。
また、物価も安いので年金収入のみで暮らせる国ですね。
ただ、スペインのリタイアメントビザの申請要件は、大使館HPで公示されていません。
なぜでしょう?英語やスペイン語で検索するとアメリカ人用の要件などは出てくるのですが、日本人用は情報開示されていないんですね。
ということで、大使館に直接聞ききましたので、これが最新のリタイアメントビザ取得条件になります。
まず、リタイアメントビザという名前でなく、「非営利目的居住査証」というビザになります。
- 月額2130ユーロ相当額(25万7000円)以上の年金などの収入がある事
- さらに家族一人増えるごとに+530ユーロ
- スペインで家を購入済み、もしくは賃貸契約済み
この他に、無犯罪証明書や健康診断書などが必要です。
リタイアメントビザは、91日以上5年未満の期間のものになり、更新が出来ます。
5年以上の居住歴があり、規定に定められる要件をみたせば、長期居住許可を取得する権利が発生します。長期居住許可を得るには、それまでの他のEU諸国における継続的な居住期間も考慮されます。
こちら「スペインにリタイアメントビザで移住する方法」で詳しく紹介しているので、興味がある方はこちらをどうぞ。
ポルトガルのリタイアメントビザ
ポルトガルも物価が安く、気候も良く、食文化が日本人に合いますよね。
海もきれいだし、人も雰囲気ものんびりしているしと、老後に暮らすなら一番いいんじゃないかな?って思います。
また、リタイアメントビザの申請要件も緩いので、ほとんどの方が条件を満たしていると思います。
条件は以下になります。
- 金額が明記された年金需給証明書および、ポルトガルにおいて年金の受領を証明する書類
- ポルトガル滞在の目的および経済状況説明書
他にもポルトガルで有効な保険書類や無犯罪証明書などが必要です。
ポルトガルのリタイアメントビザ取得方法で詳しく紹介しているので、 詳細が知りたい方はこちらもあわせてどうぞ。
また、ポルトガルの物価や有名な地域については、「移住・旅行者必見!ポルトガルの物価を徹底調査」で詳しく解説しています。
スイスのリタイアメントビザ
アルプスの少女ハイジで有名なスイス。(古いですね!(笑)
意外にリタイアメントビザの申請条件が緩いので、スイスにつながりがある人は移住できるかもしれませんね。
とは言っても、日本の年金が30万円あったとしても貧困層の部類に入るので、年金プラス何か収入がないと生活が大変です。
申請条件は以下になります。
- 55歳以上
- スイスと何かしらのつながりがある事
「何かしらのつながりがある事」とはちょっと漠然とした条件ですが、例えば家族が住んでいるや、以前スイスで働いていた、もしくは、頻繁にスイスに訪れていてある程度の生活基盤がある、など何かが必要ですが。
また、スイスは国単位でなく州単位で規定が違うので、各州の移民局HPで必要なものを確認してください。
フランスのリタイアメントビザ
フランスは、リタイヤメントビザという名称のビザはありませんが、大使館によると、「ビジタービザ」が退職者が長期滞在する時に申請するビザになります。
ビジタービザは、さまざまな目的でフランスに滞在するために申請することが可能です(退職後の生活、文化目的、芸術目的、個人的な目的での就学(修了証書やディプロマの取得が目的ではない就学など)
フランス大使館より抜粋
申請基準は、以下になります。
- 17,344.60 ユーロ(約207万円)/年の収入証明
以上です!月額の年金受給額が17万円以上あれば、申請できますね。
申請方法は、フランス入国後3ヶ月以内に以下のサイトで登録が必要になります。
必要書類や移住に人気の都市は、こちら「フランスのリタイアメントビザ取得方法・年金受給額のみで移住可能」をどうぞ。
ちなみに、フランスでは意外に安く家を変える地域も多いのですが、「実はこんなに安い!1200万円以下で買えるフランスの家」でペイ・ド・ラロワール地域の家を紹介しているので、こちらも読んでみて下さい。
ラトビアのリタイアメントビザ
恐らくですが、ラトビアがEU加盟国で一番リタイアメントビザの申請基準が低いかと思います。
国民年金を満額払った方は、その受給額だけで申請基準を満たすかもしれませんね。
条件は、以下になります。
- 観光ビザ免除の国の国民(日本はビザ免除)
- ラトビアの定める定年退職の年齢に達している(65歳以上)
- ラトビアで生活できるだけの収入がある(月628EUR / 約7万5000円)
ちなみにラトビアに家を持っていない限り、月628ユーロで生活するのは難しいと思います。
ですが、国民年金と厚生年金をもらっている方だったら、全然大丈夫ですね。
ラトビアのリタイアメントビザや、人気の移住地をこちらで詳しく説明しているので、是非参考にどうぞ。
ポーランドのリタイアメントビザ
ポーランドはすごくいい国ですね。
私の妻はポーランドとドイツのハーフなので親戚が多く、1年に3~4回訪問します。
物価が安いし、親日家が多いし、結構いいとこだらけです。
さて、ポーランドのリタイアメントビザはEU加盟国など向けなので日本人は取得できないですが、D-Type National Visa(ナショナルビザD)を取得して行くか、ノービザで入国し滞在許可証を申請するかの2通りになります。
ナショナルビザ・Dタイプの条件は以下になります。
- 滞在期間中の生活費・他国への旅行費・日本に戻るチケット料金をまかなえる証明書
漠然なものになるのですが、15万~20万円ほどの年金収入があればまず間違いないと思います。
ちなみにこの他にも、滞在期間をカバーする保険や申請書などが必要です。
こちらポーランドにリタイアメントビザで移住する方法・基礎データとおすすめの都市で詳しく紹介しているので、ご一緒にどうぞ。
ドイツのリタイアメントビザの申請要件
私が今現在住んでいる国、ドイツです。
私は正直そこまで楽しんでいないですが、人によっては住み心地がいいかと思います。
私がそこまで気に入ってない理由は、寒いし夏が短いからです。(笑)
それ以外は特別不満もないですね。物価は安いし、自然も多いし。
さて、ドイツはリタイアメントビザ(退職者用ビザ)という名称のビザはありません。が、長期滞在ビザや滞在許可が退職者向けのビザにもなっています。
申請条件は、こちらになります。
- 生活できるだけの年金や金利収入がある事
以上です。
ドイツの場合は個別審査になるので、詳細条件は人によって変わるようです。詳しくは、大使館にお問い合わせ下さい。
ブルガリアのリタイアメントビザ
最後は私が大好きな東欧です。
ブルガリアはバラが有名ですよね。バラの谷と呼ばれる地域もあるし、バラ祭りもあるし、何と言っても物価が安いので、年金のみで楽々暮らせますね。
さて、ブルガリアの退職者用ビザは長期滞在ビザタイプDになり、申請条件は以下になります。
- 年金受給資格がある事を証明する書類(年金受給証明書)
- 年金が送金されるブルガリアの銀行口座を持っている事
金額については明記が無いのですが、普通に年金をもらっている方であれば資格があると思います。
ギリシャ
ギリシャはリタイアメントビザという名称でビザを発給していないのですが、ナショナルビザに「経済的に自立した人向けのビザ」があります。
なので正確に言うとリタイアメントビザではないですが、大使館にリタイアメントビザの問い合わせをしたら、こちらナショナルビザを紹介されました。
金銭的には、以下の条件を満たせば申請できます。
- 2000ユーロ(24万円)以上の収入が毎月ある事
以上です。
ギリシャにもいろいろ移住できるビザはありますが、このビザが一番年金受給者にとっては取得しやすいビザですね。
詳細は下記リンクを参考にどうぞ。
ベルギーのリタイアメントビザ取得条件
ベルギーはおしゃれな国で、人も親切な人が多いですよね。
実は物価も結構安く、家賃なんかも日本に比べたら格安なんですよ。
さてそんなベルギーに移住したい方には朗報です。
リタイアメントビザの取得が簡単だとは言いませんが、金銭的にみると、ほぼ全ての年金受給者が条件を満たしています。
条件はこちらです!
- 年間不労所得が9928ユーロ以上ある事
以上です。
当然、他にも申請書類がありますが、収入的には以上です。
9928ユーロと言えば約120万円なので、年金の受給額が10万円/月あれば大丈夫ですね。
詳細はこちら「ベルギーのリタイアメントビザ取得方法・申請書類」を参考にどうぞ。
最後に
今回はヨーロッパの中でも、比較的ビザの取得がしやすい国を紹介しました。
スイス以外は、国民年金と厚生年金を受給している人であれば(金銭的に)移住しやすいので、検討のし甲斐がありますね。
他にもヨーロッパには、投資家ビザで移住できる国が多く、意外に格安にできるところも多々あります。
こちらの「投資家ビザで移住する方法・永住権が取れるヨーロッパの国16ヵ国」も読んでみて下さい。