こんにちは。
タイでビジネスを始めて早9年。順調に成長していってます。
最初は試行錯誤の毎日で、仕入れ先を見直しコストの削減をしたり、営業時間を変えて効率化を図ったり、日本的なメンタリティーでビジネスをスタートしました。
が、です。全然うまくいきませんでした・・・。
次に、ポスターや看板などを作って島の色々なところに貼って宣伝したりもしたのですが、気が付けば剥がされていたり・・・。
結構へこみましたね。
これが海外でビジネスをする難しさだな、なんて思いながら、ビジネスを始めて1年もたたずに店を売ることを決心しました。
結果から言うと売れなかったので続けたのですが、それが幸いし9年もビジネスを続ける事が出来ています。
日本人の私が、異国の地の離島で、しかもたった一人でビジネスを始め、紆余曲折ありながらここまで出来たのは、あの事があったからだと思います。
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ビジネスを成長させたきっかけ
前述したように、コストの削減などをするために、より安い本土で物を買っていたのですが、あるタイ人の友人にこう言われたんです。
「何で自分ばっかりお金儲けをしようとするの?」
ん?どういう意味だろう?最初は理解できませんでした。
続けて彼はこう言いました。
「何で島のお店から物を買わないの?この島でビジネスしているのに、島に全然還元してないじゃない」
「お金は全て本土のお店に行って、この島のお店はどうやって生活するの?」
あぁ。これがタイのルールなんだ、って思いました。
日本人の感覚からいくと、「ビジネスは競争」だと思っていましたが、ここでは「ビジネスは助け合い」なんだと思いました。
(本音を言うと、この仕組みのおかげで、彼らはビジネスを発展させることを考えないし、しかも島で買うと、物によっては2-3倍の値段になっているので、儲けが出にくいんですが・・・)
この日からはほぼ全ての物を、島で買うようにしました。
すると、地元の人とももっと仲良くなったし、うちの店にも来てくれるようになったし、宣伝もしてくれるようになりました。
日本でいう「損して元を取れ」ですね。
その後はポスターや看板も剥がされることはなくなったし、お客さんをどんどん紹介してもらえるようになりました。
今では相乗効果で、私の店の周りにはどんどんお店が立ち、私の店に来る前に近所のレストランに行き、ミニマートで買い物をし、私のお店に来るといったように、私の店に来るついでに近所のお店に行くといった流れが出来ました。
また、おこぼれ狙いで目の前に小さなバーが出来たのですが、私のお店にお客が多すぎて座れないから、このバーに行くってお客もいますし。
最初はこのコバンザメ精神のビジネスをやっている人が嫌でしたが、考え方を変えれば、彼らの多くは私がいないと困るわけですよね?
なので必然的に味方が増えていっているんですね。
本当の意味での味方ではないですが、必要とされる存在になったので、少なくともトラブルなどは一切起こらないです。
今では島の行事があると、バンド演奏をしてくれなど頼まれますし、私もできることはすべてやっています。
こういう手助け、手伝いをすると、次は私のお店に友達や観光客を連れて飲んでいってくれるんです。(見返りが欲しくて手伝っているわけじゃないですが)
先ほども言ったように、ビジネスは助け合いですね。
マーケティング
さて、こちらは当たり前な感じがする話ですが、一応。
これはタイに限らず、どこでビジネスをやっても同じ悩みや問題があると思います。
多くのビジネスが長続きできない理由は、「人が来ない」からだと思います。
なぜ人が来ないのでしょう?
売ってるものが悪い?サービスが悪い?味が悪い?
色々あると思いますが、一番の要因は、存在を知らないから来ないんです。
ということは、知ってもらえるようにするだけです。
ポスターを作ったり、イベントをしたり、グーグルマップに登録して知り合いにレビューを書いてもらう、フェイスブックでビジネスのページを作る、などいろいろできますよね。
一つ実例で、私の友人がやったことをお伝えします。
4-5年前にオープンしたイギリス人が経営するレストランなんですが、トリップアドバイザーに登録して、オンラインマーケティングをやったのですが、その意気込みが半端なかったんです。
おそらくですがオープン1ヵ月目には300くらいのレビューが付いていました。
友達や、観光客に頼むんです。レビュー書いてって。
私も尋ねられまして、嫌々ながら私もレビューを書きました。しかも、みんな基本友達だから悪く書かないので、300ほどの五つ星レビューの完成です。
そりゃお客さん来ますよ。最近はネットでレストランなんかをチェックする人多いですしね。
味は良いと思いますが、下手したら日本やヨーロッパより高い値段なので、私は1回行ったきり2度と行ってないですが。
そういえばイギリスで実在しないお店をトリップアドバイザーに登録して、高評価を偽装して、ロンドンで一番予約が取れないお店って有名になったお店がありましたね。
予約が取れないと、苦情が出過ぎたので、一日だけ冗談でオープンしたらしいのですが、お客さんはすでにマインドコントロールされてたので、すごくおいしかったと満足していたらしいです。ちなみに食事はすべてレトルト食品を使用したそうです・・・
まあ、このように友人知人を頼ってやれば、2-300のレビューは作れそうなので、有効かもですね。(おそらく利用規約に反すると思いますが)
私のバーは、ドイツ語圏で売られている紙媒体のガイドブックにも載っているので、多くのお客さんはドイツ人、オーストリア人、スイス人ですね。
最後に
今回は2種類の方法をご紹介しましたが、当然他にも色々方法はあります。
ただ、私が思う一番大切なことは、地元民に利益の還元とオンラインマーケティングです。
もう一つ付け加えるとしたら、売りになる何かを持っている事ですね。
私の店の売りは、観光客参加型のライブミュージックバーです。
私の店で演奏しているのは、観光客のみなんですね。お金を払ってミュージシャンを呼んだことはありません。
ですので、観光客であるミュージシャンたちが、宣伝もしてくれるんです。
同じリゾートに泊っている観光客に、「このバーで演奏しているから見に来て」と言った感じで。
20人のミュージシャンがいたら、1日に50~100人の彼らの知り合いが来るので、それだけで盛況です。
バンコクなどの都会とはやり方が違うと思いますが、どんな地域でビジネスをやっていても、地元の人への感謝の気持ちを忘れなければ、ビジネスは成長すると思います。