ポーランドってヨーロッパでは物価も安めだし、見どころも多く、親日家でもあるので、旅行でも移住でも滞在しやすい国ですよね。
私は妻の母がポーランド人なので、親戚関係の事でよくポーランドに行きますが、自然も多く本当に良い所です。
一つだけ文句を言えるなら、「ウォッカ飲みすぎだよ!」って言いたいです。(笑)今夏に行った結婚式では、1人当たり1本以上のウォッカが用意されていました!
そんなポーランドは年金で移住できるくらいの物価の国なので、リタイアメントビザで移住する方法紹介します。
ポーランド基礎データ

まずはポーランドの基本情報をどうぞ。
- 公用語・ポーランド語
- 首都・ワルシャワ
- 最大の都市・ワルシャワ
- 人口・約3864万人
- 通貨・1ズウォティ=28.5円(2019年12月)
- EU加盟国
- 時差・日本のー8時間(夏は7時間)
- 1人当たりのGDP・1万4344ドル(日本の約1/3)
- 在留邦人・1761人(2018年統計)
- 失業率・5.1%
- 電圧・230V、コンセントはC,Eタイプ(変換プラグが必要です。購入はこちらから)
- 水道水・ここ最近は水道水が飲めるようになった
- 東欧に分類される
- 漢字表記は波蘭
- 全世界のコウノトリの1/4がポーランド生まれ
- 出稼ぎ労働者として他のEU諸国に移住する人が多い
- 実は7つの国に囲まれている(ロシアの飛び地・リトアニア・ベラルーシ・ウクライナ・スロバキア・チェコ・ドイツ)
治安
<dlift.jpより>
ポーランドって意外に治安が良いんですね。
東欧だし治安が悪そうなイメージもあると思いますが、スペインやイタリア、イギリス、フランスなんかよりも断然治安はいいんです。
とは言っても、観光客を狙うスリなんかはどこの国にもいるので、一定の警戒は必要です。昔は偽警官が出没して金品を巻き上げたなんて話もありましたが、今ではほとんどないです。
ちなみにポーランド人には親日家が多く、また、親切な人が多いです。
以前クラクフにいた時に「ポーランド人は世界で一番親切だ」って何人ものポーランド人が自画自賛していましたが、本当にそうだと思います。(正直、私の中で一番はウクライナ。2番手がポーランド人だと思います)
駅で困っていたら職員が外まで一緒に来て、ホテルの行き方を教えてくれたり、両替も「駅で替えたらレートが悪いから、別のところで替えたほうがいい」と教えてくれたり。
リタイアメントビザ取得要件
ポーランドには「リタイアメントビザ」という名称のビザはありませんが、D-type national visaを取得して行くか、ノービザで入国し滞在許可証を申請するかの2通りになります。
ナショナルビザ・Dタイプは最長1年で、2年目以降は現地で滞在許可証(滞在カード)を申請するのが一般的です。また、他のシェンゲン加盟国にも行けますが、180日間で90日まで滞在できます。
金銭的な要件は、以下になります。
- 滞在期間中の生活費・他国への旅行費・日本に戻るチケット料金をまかなえる証明書
預貯金や年金受給額がいくら以上という指定はありませんが、1人当たりのGDP・1万4344ドルから見ると、毎月約12万円ほどの年金受給額があれば大丈夫かと思います。(預貯金額なども影響するので、必要月額は前後します)
また、物価統計のnumbeoでは税引き後平均月収が776ユーロ(約9万5000円)となっているので、やっぱり12万円くらいを目安にしていれば大丈夫かと思います。
必要書類
まずは大使館HPから抜粋です。
まずはこちらの「e-konsulat」で来館日の予約と申請書の作成をします。登録されていない申請書(手書き等)は受理できませんのでご注意ください。
公式書類や証明書等はすべて、確認のための原本と提出用のコピーを併せてお持ちください。
書類は、可能な限りポーランド語または英語のものをご用意ください(日本語でしか発行できないものについては日本語でも問題ありません)。
- ビザ申請書・・・オンラインシステムで必要事項を全て記入のうえ、印刷・パスポートと同じ署名をしたもの
- 3ヶ月以内に撮影された、フルカラーの写真1枚(35mm×45mm)。背景は白色のみ可。顔は全体が写っており、高さが写真の70%(32mm)以上を占めていること
- パスポート・・・過去 10年以内に発行されており、有効期間が目的地からの出国日より3ヶ月以上残っているもの。未使用ページが最低2ページ必要
- パスポートの顔写真ページのコピー
- 過去に取得したポーランドのビザやシェンゲンビザがある場合はそのコピー
- 外国籍の方の場合は、有効な日本の在留カード原本およびコピー(両面)
- 往復予約済み航空券または予約確認書・・・搭乗者名・日時およびフライトナンバーの記載があり、日本‐ポーランド間の全ての経路が確認できるもの
復路の航空券を未購入または日程を変更する予定の場合、自筆署名入りの宣誓書(申請時点で復路の航空券を所持していない理由と、復路の航空券を後日購入する用意があり、滞在の目的が終了した後はポーランドから出国する意思を記したもの)を併せて提出
- 滞在場所の証明書類・・・滞在の全期間をカバーする賃貸契約書など。申請時点で決まっていない場合、申請者の自筆署名入り宣誓書(ポーランド到着後に住居を確保する意思を記したもの)と、滞在当初の期間をカバーするホテルなどの予約確認書を併せて提出
- 海外旅行傷害保険の加入証明書・・・ポーランドを含むシェンゲン圏で有効な、緊急一時帰国・救援・治療・入院や死亡などの費用を補償するもの
補償額は上述の医療項目の合計について最低30,000ユーロ以上必要です。少なくとも滞在当初の期間、(リタイアメントビザの場合は1年間)をカバーするもので、保険会社が発効する被保険者氏名・有効地域・有効期限および補償項目と補償額が確認できる証明書の提出が必要です
- 滞在資金を証明する書類(以下1,2のいずれか)
- 申請者名義の有効なクレジットカードの利用可能額(限度額)の証明書- カード会社が発行する、印鑑またはサイン入りの原本
- 申請者が所有するポーランドの銀行口座、あるいはポーランドに支店を持つEU加盟国の銀行口座の残高証明書原本
このビザの申請で一番難しいのは、申請書の記入だと思います。というのも、日本語表記がないのでポーランド語、もしくは英語で書かなくてはいけません。
ちなみに、厳密にいうとナショナルビザ・Dタイプは、最終的に日本に帰国する前提のビザなので、大使館に聞いたところこういった返答がありました。
定住・移住等をご希望の方には、ビザなしで入国いただき、滞在可能期間である90日を過ぎる前に現地県庁で滞在許可証の申請をいただくようご案内しております。
滞在許可証はビザとは異なり現地県庁(外国人局)の管轄ですので、必要書類や条件についても領事館ではお答えできません。
なので、ナショナルビザDタイプで1年ほどお試しで移住してみてポーランドの水が合うようだったら、滞在許可の申請をした方がいいかなと思います。
もしくはもうポーランドの事も知っているから移住の手続きを!って方は、大使館が言うようにノービザで入国し、滞在許可証(temporary residence permit)を申請するのが良いかと思います。
申請に必要なものは、以下になります。
- 記入した滞在許可証用申請書のコピー2枚
- パスポート原本とコピー3枚
- 6か月以内に取られた証明写真4枚(35 x 45mm)
上記がポーランドの移民局で紹介されている書類ですが、これに加えて上記で紹介したナショナルビザ・Dタイプで必要な書類も持って行きましょう。
ポーランドの人気都市
義母がポーランド人だし、妻もポーランドとドイツのハーフなのでいろいろ紹介できると意気込んでたのですが、「ワルシャワとクラクフ以外何もないよ」って言われました・・・(笑)
ちなみに義母は、ヴロツワフとカトヴィツェの中間ほどに住んでいました。この辺りは歴史的に見ても稀有な場所で、ドイツ領になったりポーランド領になったりしたため、ドイツ時代はドイツ人から、ポーランド時代(今)はポーランド人からよそ者みたいに扱われたそうです。
まぁそれでも義母に「とりあえずよさそうな街を教えて」と言い、紹介してもらったのでそれを紹介します。(私が行ったことあるのは、ワルシャワ・クラクフ・ヴロツワフです)
ワルシャワ

ポーランド最大の都市なので、便利と言えば便利です。買い物も楽だし、メトロやトラム、バスは多いので移動は簡単だし、旧市街なんかは中世の街並みで歴史を感じる地域なので、住みやすいです。
ただ中心部は上の写真のように、高層ビルもどんどん建設されているので結構景観を壊してはいますが、右肩上がりの経済成長の恩恵と言いますか、どんどん開発が進み、言い換えれば「もっと、もっと便利」になっています。
クラクフ

17世紀にワルシャワに首都を移す前は、ここクラクフが首都でした。
旧市街は基本的に塀に囲まれているので、門をくぐって旧市街の中に入るのですが、それもまた情緒があっていいですね。
旧市街は観光地なのでカフェやレストランは若干高めですが、スーパーなんかは比較的安かったです。
また、旧市街の近くのカジミエシュはユダヤ人街がですが、今ではギャラリーやおしゃれな古着屋やカフェ、バーなどがあります。
住んでいると旧市街に行くことはそんなにないと思うので、移住となると旧市街の外になると思います。
ヴロツワフ

ポーランドでもっとも住民所得の高い都市で、大学も多いため大学生が多い街です。
ヴロツワフは歴史上いろいろな国に侵略されたため、その時々で建設様式などが違うので、独特の景観があります。
なぜだか分からないですが、1980年代から小人の設置が始まり、今では「小人探し」といった軽いアトラクションになっています。
ちなみに住民所得が高いと言っても大学生が多いので、レストランやテイクアウトのお店は安めです。
グダニスク

グダニスクは琥珀のバイヤーに有名な街ですね。というのも、バルト海沿岸は世界の琥珀産出量の85%を占めると言われ、その拠点の一つがグダニスクです。
街も小さいので、徒歩移動でも全然大丈夫ですし、旧市街のドゥーギ広場はカフェやレストランも多いので、食事に困ることは無いですね。
また、運河沿いにも多くのレストランがあり、バルト海でとれた新鮮な魚介類を楽しめるので、食事的に見ても住みやすい街です。
最後に
ポーランドはなぜか日本では人気が無いというか、知られていない感じがありますが、物価も安く人も親切で、住み心地もいいので、移住をお考えの方はポーランドをチェックしてみてください。
ある程度の言葉を練習していけばすんなり地元民にも受け入れられるので、是非ポーランド語を少し勉強してから行きましょう。
おすすめオンラインスクール・移住前に現地の言葉を学ぼうで、ITALKIというポーランド語のネイティブ講師もいるオンラインスクールを紹介しているので、ぜひこちらも一緒にどうぞ。