フランスでは黄色いベストのデモンストレーションがまだまだ続いてますね。
終わりがなかなか見えてこないですが、そういえばフランスってなんでこんなにデモやストライキが多いんでしょうね?
昔から気になっていたんですが、文化の一部なんでしょうかね?政府に抵抗するための。
ただ、「文化の一部」で片づけられないくらい、デモやストは頻発していますよね。
パリにいた時に感じたこと
私はジプシージャズという音楽をやっているのですが、これはフランスが本場なんですね。ですのでよくフランスに滞在しています。
ここ3-4年は、パリ中心部に住んでいる友達の家に年間2~3ヵ月滞在していたのですが、友達の20歳になる娘も住んでいたんです。
で、彼女が頻繁にやっている事があるんですが、それは「デモに参加する」ということなんです。
フェスティバルやパーティーに行く感じで、「今日はここで~時からデモがあるから行ってくるね」。明日は「ここであるけど、興味がない主張だから行かない」。こんなノリでイベント(デモ)に参加していました。
フランスのデモって結構過激な事をやってるじゃないですか?だから気になって聞いてみたんです。
「デモに行って何しているの?火焔瓶投げたり車燃やしたりするの?」って。
すると、「するわけないでしょ。そういう人が参加するデモには行かないし、彼らはデモ参加者じゃなくて、暴れに来てるだけよ」って言ってました。
また、「一人でも参加者が多い方が注目も集まるし、共感する人が増えるから」とも言ってましたね。
フランスでデモが多い理由
数人のフランス人の友達にデモの理由を聞いたので、まとめて書きます。
パリの住民編
「政府はお金持ちの事しか考えない政策ばかりだから、デモをして分からせるしかない」
「デモをやるのは権利を取得するため。私たちはデモをするから休暇も多いし労働時間も短いのよ」
「権利として認められているから、権利を行使しているだけ」
「暇だから」
パリ以外の住民編
「政府は、パリに住んでいるエリートや金持ちを優遇する政策しかしないから」
「何でしないの?不満があるなら行動に起こさないと誰も気づかないよ」
理由は千差万別の様ですが、根底には政府への不満がありますね。
まあフランス革命を起こした国なので、無理もないですが。
注)フランス革命(1789年)、別名・資本主義革命・ブルジョワ革命と呼ばれ、旧体制である身分制や領主制を排除し、資本主義の発展と資本主義憲法の確立を成し遂げた市民革命です。マリーアントワネットが処刑された革命と言ったら聞いたことが多いと思います。
私が思うデモの理由
ここは完全に、偏見と実体験に基づいた私が思う理由を紹介します。
はっきり言って、彼らはただ文句が言いたいだけです。
フランスでは、「義務は行使しないけど権利だけは行使する」という思考が溢れていますよ。
これは歴史的に王族や貴族に搾取されてきたから、DNAに刷り込まれているんですよ。頑張ってもどうせ搾取されるから、頑張るだけ無駄なんだって。
また、フランス革命が成功してしまったから、これもDNAにしっかりと刻まれているんです。嫌な事があれば暴動だって。
フランス人は全体的に不平不満を言う人が多いんですが、彼らからすると不満を言っているんじゃなくて、「要求している」だけみたいですが。
また、日本にいるみなさんは、フランス人(もしくはパリの住民)は優雅でセクシーでおしゃれで・・・という良いイメージを持っていると思いますが、オシャレ以外は当てはまらないと思いますし、ウザい人が多いです。優雅と言うよりセコイし。
なんか、思考回路が違うんですよ。
ここ最近ではユーロスター(フランスとイギリスを結ぶ高速鉄道)の職員がわざと仕事を遅らせて、列車を遅延させたり、キャンセルさせたりしていますよね。
これは、「ブレクジットが実現したら仕事量が増えるから、賃上げを要求しているし、そもそもこれ以上の仕事をしたくない」のでストライキを起こしているものです。
日本人からすると考えられないですよね。お客さんの都合など関係なく、自分の権利だけを主張している典型的なフランス人のメンタリティーです。
日本だったら、陰で不平不満を言いながらも、「これからもっと仕事を頑張るので、昇給してくれたら嬉しいな」って考えると思いますが・・・。
黄色いベストのデモも糾弾されている件ですが、フランス大統領のマクロンさんは、TGV(日本でいうJR鉄道)を 改革したかったんですけど、ほぼ断念せざるを得ないようですね。反発がひどすぎるから。
当然、労働者は既得権益は絶対に手放さないですよ。
だから改革が難航しているんです。
ただ、これ知っていました?
フランス人はストばっかりしているし、働かないけど権利や欲求は要求しているので、TGVは利益が出てないんですよ。3兆円程の赤字があり、毎年毎年赤字額が増えて行っているんです。
3兆円の赤字って、「破産」というより「破滅」ですよ。
だからマクロンさんはこの会社にメスを入れたかったんですが、従業員からの反発がひどくて、出来てないんです。
これも典型的なフランス人ですね。
彼らは絶対に譲歩することなんてないですから。
夏のパリ
数年前、パリに7月中旬から数か月滞在したのですが、夏のパリがどんな感じか知っています?特に8月。
夏と言えば、夏休み。
はい、そーなんです。
この世界有数の観光地であるパリの住民もサマーホリデーに行くので、ほとんどのお店が閉まっています。
観光地にあるレストランから、普段行くカフェまで。体感的に80%程のお店は閉まっています。
この時期にパリで見かける人と言えば、観光客くらいです。
ん?観光客?
はい。観光客はそこそこいるんですが、お店のは閉まっているんです。
観光地で働く私からしたら考えられないんですが、稼ぎ時である夏休みにビジネスを閉めているんです!
理由は、「夏休みだから」です。
観光客の事なんか当然気にしません。稼ぎ時に稼がない事も気にしません。だって「夏休みを取る権利」があるから。
凄い国ですね、ここは・・・。
まとめ
デモの根底には、政府や王族に搾取され続けてきたから、彼らを信用していないというものがあります。
他にも、既得権益は絶対に手放したくないフランス人。(そういえば日産元会長のゴーンさんも、なんか糾弾されてますね)
譲歩なんて絶対にしない。
仕事が遅い、そもそも仕事をちゃんとしない、客の事なんてお構いなし、自分の都合が一番大事、義務なんて知らないけど、権利は知っているフランス人。
政治家が何を言っても、まずは「non」(嫌だ)ですからね。
国家のかじ取りは大変でしょうね・・・。
注)当然働き者のフランス人も、少数ですがいますので